実践部門
2022年10月8日(土)、香林坊にぎわい広場及び犀川河川敷桜橋下流側でパブリックライフ・コンテストが開催され、9組37人の参加者がパブリックライフの腕を競い合いました。多様なテーマや工夫が見られ、充実したコンテストになりました。参加者の皆さんもいつもとは少し違う過ごし方をしてみたことで、見慣れたまちに新たな発見があったり、もっとこういう風にまちを過ごしてみようという新たなアイディアが生まれたのではないでしょうか。是非これからも日常の中で公共空間を豊かに楽しみ、金沢の公共空間でのパブリックライフをリードしていただければと思います。
コンテスト結果
パブリックライフ・オブ・ザ・イヤー
チーム金美
金沢美術工芸大学の学生さん二人組と仲間たち。布のインスタレーションを中心として、犀川河川敷に友人・知人や通りすがりの人が立ち寄りしばし留まりたくなる空間を創り出しました。場所の選び方や河川敷の高低差の使い方、桜の枝とともに揺れて緩やかに場所を覆う薄い布、立ち寄る人たちのために配された円形の座、枝から吊された電球に入った筆記用具やカトラリー、本やノートの置き場、様々にアレンジできるドリンク、簡単でカジュアルだけれど美味しさにはこだわった自在サンドイッチ。すべてが繊細かつ大らかで、まちなかの環境を活かした非常に美しいパブリックライフでした。
(副賞:ピクニックバスケット一式)
2位
いとちゃんチーム
犀川を見下ろす北欧カフェのシナモンロールと焼き菓子を手掛かりに、北欧デザインの食器、花瓶、テキスタイルなどを配した親子二人のピクニック。ご自宅のオットマンはちょうど良いテーブルに。きれいな色の刺繍糸で服のほつれをかがったり、河川敷のオオバコを花瓶に挿してときおり草相撲をしたり、どんぐりでマラカスをつくったり。隅々まで美しさの行き渡った生活をそのまま持ち出してきたような、うっとりするピクニックの光景でした。
(副賞:防水風呂敷)
3位
弾丸野点
太陽が顔を出した瞬間に、小さなトートバッグひとつ持って犀川河川敷に機動的な野点を展開。赤系のストールを緋毛氈に、河川敷の看板に美術館の限定スカーフをかけて掛け軸に見立て、身近なセレクトのお花やお菓子も用意して、お茶を立ててくれました。場所を読み、身近なものを読み替えながら、この場所この時間ならではのお茶席を即興で創出したのは見事でした。
(副賞:ブランケットホルダー)
パブリックライフ奨励賞
チームブルー
サイガワリバーサイドアクトのタープを拠点に、三々五々、入れ替わり立ち替わり人が集まり、今コンテスト最大の10人の賑やかな集まりに。「青を身に付ける」「とっておきの一品を持参」という緩やかなルールにより、まとまりと自由さが共存する集まりが実現しました。野点や市内のお菓子と紅茶のピクニックなどそれぞれの得意なことを持ち寄り、互いに楽しむことができるのも良いところでした。
(副賞:ペーパーラグ)
パブリックライフ奨励賞
チームとまモリ
香林坊にぎわい広場の一段上のスペースで、椅子を出してコーヒーを楽しんでいたお二人。玉川図書館近くのお店の美味しいコーヒーを、金沢の陶芸家による飲み口の薄いきれいなコーヒーカップで楽しんでいました。ペールグレーと黒のカラーコーディネートもシックで、絵になるチェアリングでした。「まちをリビングにして、仕事の前のちょっとした時間に広場でコーヒーを飲みながら、その時間の光や風を味わう」というコメントは、まさにパブリックライフのお手本。
(副賞:携帯用花瓶)
この3人が審査しました
伊藤香織(東京理科大学)
金田みやび(ギャラリー点)
高柳誠也(東京理科大学)